ハロー・グッバイ#3






「あなた誰?」



そう言った後、は俺を軽く睨み付け、何もなかったかのように弁当を食べた。
つまり、俺の行動を無視されたわけだ。
そりゃまあ転校生だから俺の事を知らないのかもしれないけれど、
初対面の人間をそんなに威嚇しなくてもいいだろぃ?


そう思ってに自己紹介をしようとしたら、近くに座っていたの友人が
慌てて言った。


「!この人先輩だよ!」
「へー。あたしに何か用ですか?」


ははピーチティを吸いながら俺に問う。
うーわーすっげーむかつく。何様だ。・・・いや、我慢我慢。
俺はに微笑むと質問に答えた。


「いや、赤也からさ、『可愛い転校生が来た』って聞いてよ。
 どんな子なのかなー?って思って。あ、俺丸井ブン太。シクヨロ!」
「・・・・・・。」
「やっぱ噂通り可愛い子だな。なあメルアド教えてくれね?」
「いやです。」
「…じゃあ電話番号。」
「面識の無い人と電話をする人がいると思いますか?」


目を見開いて、しっかりした声で俺を拒否すると
まるで何もなかったかのように残り少ないお弁当を食べた。

あーもう!俺の計画丸潰れ!すっきりしねえ。





「…仁王戻るぞ。」



そういって教室に戻ろうと仁王を探すが見当たらない。あれ?と思うと
教室の端で女の子に囲まれ微笑んでいた。
女の子達はキャーキャー騒いでいる。やっぱり普通はこういう反応だろぃ?

女子に囲まれている仁王からに視線を移し、
俺は顔もあわせようとしない彼女に冷たく言った。




「…顔が可愛いからって調子のんなよ。」


だが、ここでもまさかの反撃。は負けない冷たさで返した。


「調子のってるのはアンタでしょ。」








◇








「!何て馬鹿なこと言ったの!」
「だってむかついたんだもん。てゆうか誰?そして何?
 あの『俺、かっこいいだろ?』的なオーラ!気に食わない!」


あたしがキーッという動作をするとは「呆れた」と言った様に頭を抱えた。
だって事実だもの。仕方ないでしょ?

とっくに食べ終えたお弁当箱は片付けられ、今、机の上には写真が数枚。
これらは全てのもの。彼女は真田先輩のファンらしい。(真田って誰?)


「これが今来てた丸井ブン太先輩。で、こっちが一緒にいた仁王雅治先輩。
 ちなみにこれが切原。」


部活の集合写真だろうか、8人ぐらいの男の子が並んでVサインをしている。
はその中の赤髪と白髪を指して名前を教えてくれた。
それに加え、テニス部のことを詳しく(それもかなり)教えてくれた。
全国優勝するほど強いこと。そのためファンも多いこと。学校中の女子に人気なこと。
先輩から話し掛けられる事は滅多になく、物凄い名誉あることなんだよ!と力説された。


(そんなこと言われても…)(興味無いし)


「そんな態度してたら全校の女子生徒の嫉妬を買うわよ?
 丸井先輩カッコ良いのにもったいない。」


があたしに忠告をする。カッコ悪くないのは認めるわ。
けれど、あたしが丸井ブン太にイイ態度を見せる必要はないでしょ?
あたしは頬杖をつき、小さく呟いた。


「ああゆう男嫌いなの。ヒトの領域に土足で踏込んで。」


視界の端にの苦笑した顔が見えた。












    
(080216)