「おい、赤也!遅えぞ。」



「すんませーん。まあ、主役は遅れて登場するもんなんで。」



「今日の主役お前じゃねえっつーの。」






丸井と切原くんの会話にクスッと笑う。

学校とは違って、可愛い服を着て、アクセサリーをつけて、

うっすらとナチュラルメイクをして、お人形みたいで可愛い。


女のあたしが言うんだから間違いない。





現に、丸井はデレデレ状態だ。






スキダカラ







「(さん、かわいいっすね)」


「(当たりめえだろぃ?)」





丸井の耳元でこそこそっと話す切原くん。
こそこそ話しのつもりでも、のほうチラチラ見てちゃ意味がないでしょ…。





今日は丸井が待ちに待っていた遊園地の日。というかデートの日。






ミーティングで幸村にこっぴどく怒られた後、
丸井と話し合ったい、結果、遊園地に行こくことになった。


勿論、と丸井をくっつけるために。






「さて、まずどこのアトラクション行こうか?」




あたしがパンフレットを見ながらと丸井と切原くんに言う。
勿論協力もするけど、楽しまなくちゃ駄目でしょ?





「んー、俺はジェットコースター系行きたいっス!」


「ジェットコースターっつても色々あるだろぃ?俺は、“スパーライトコースター”ってやつ希望!」


「二人ともイキナリ絶叫系?あたしは“恐怖堂”っての行きたいな。」


「なんではイキナリお化け屋敷選んじゃうの?そんな刺激的なの止めてよ。」


「じゃあ、は何処行きてえんだ?」


「うーん、“ツェペフル”っての乗りたいな。」



「何スか、それ?」






切原くんがの持っているパンフレットを覗き込むように見る。

顔が近い。オイオイ、丸井が睨んでるって!





「なんかね、
 『カラフルなゴンドラが高さ15mまで上昇し、優雅に旋回します--ひと時の空の旅はいかがですか? 』だって。
 重心力を利用したアトラクションなんじゃない?」



「おもしろそ「へえ!面白そうだなっ。俺も行きたい!、一緒に行こうぜ!」




(うわ、切原くんの台詞に被ってるって!)



切原くんの台詞に被せるように、否、寧ろ被せて丸井が言った。
こいつ、初っ端からと二人きりになるつもりだな。







「え?あ、あ…うん。」



「じゃあ決まりなっ!俺とで“ツェペフル”ってやつ行って来るから。
 赤也とは“恐怖堂”行って来いよ。終わったら携帯に連絡すっから!」






じゃ!と残して去ってゆく丸井と。丸井のやつ、さり気無くの手つかんでるし。

切原くんはあまりの突然の出来事に呆気に取られている。口がぽかんと開いたまま。






「丸井、行っちゃったね。」


「(先輩と二人きりになっちまった)・・・・・・。」


「切原少年?聞いている?」


「そ、そうっすね!…ずいぶん積極的で(その上突然で)俺ビックリなんスけど…。」



「同感------あたし達どうしよっか。
 と丸井が帰ってくるまで何処かで待ってる?」


「え?あ、…アトラクションは乗らないんスか?」




「あーいや、乗ってもいいけど。丸井とと会える確率が減っちゃうよ。」


「そ、そうっすね(・・・でも、折角来たのになぁ)」


「でも---折角来たんだし、乗っちゃう?」


「よっしゃ!何か乗りましょう!」








□□








ぶっちゃけて言うと、俺はこの遊園地にくることが楽しみだった。
別に、丸井先輩や先輩、さん会いたい---って訳じゃない。
単純に、遊園地に来たかっただけ。


滅多に来れねえじゃん?遊園地って。




(遊園地なら初デートで行きたいよなー…)




手作り弁当持ってきて、芝生の上で晴天の中二人で仲良く食べるんだ。
もちろん、彼女はすっげえ可愛い子!!






ってのが、俺の初デートのイメージ。







「どれもこれも混んでるね。」


「そうっすね・・・・(俺の初デートが先輩…か)。」





別に、先輩のことは今はもう、それ程嫌いじゃないけどさ。

それに、先輩は、超美人!って訳では無いけど、それなりに綺麗だし。

でもまさか、こんな形(Wデートの片割れ)で二人きりになるとは思ってなかった。

大体、丸井先輩は突然過ぎるんだ!俺だってなに話せばイイかわからねえし。

そもそも何事にも心の準備ってもんが大事だろぃ?(あっ、丸井先輩、台詞パクってゴメンなさい)



(それに、先輩だって俺と居て気まずいだろう------し)





パチ







「(?)そんなにジロジロ見ないでよ。顔に何かついてる?」



「な、なんでもねえっス!」




やべえ、無意識のうちに先輩のこと見てた。
イキナリ目が合うとか、反則だっつーの!




「あ。ほらやっとあたし達も入場できるよ。」



「そうみたいっ…ス…おおおおお、お化け屋敷入るんスか!?」



「そうだよ?さっきそれでイイって言ったの覚えてないの?!

 ほらっ、行くよ!切原くん!」




グイッと俺の手首を掴む先輩。

それはもう、さっきの丸井先輩並に自然、英語で言えばナチュラルって感じ。(お!俺頭いい!)

石凪先輩の手は筋肉質な俺のと違って、柔らかかった。





「ちょ、ちょ待って下さいよ。」


「何?怖いの?なら外で待っててもいいよ?」




明らかに見下すように言ってくる先輩。
ぜってー俺のこと下に見てやがる!(まあ、俺は年下だけど…)





「こ、怖くなんかないっスよ!行きましょう。」





売られた喧嘩は買う---ってな。


俺は逆に先輩の手首を掴み、ズイズイっとお化け屋敷の中に入っていく。




係りの女の人の『行ってらっしゃいませ〜』という声が、
俺の右耳から左耳へと流れていった。







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遊園地のアトラクション名は適当です(笑)
赤也がお化け屋敷苦手だといい。
でも、それを隠して強がってるといい。
そして隠しきれてないといい!笑)
[2007/5/4  piyo]