「あれ、赤也。は連れてこなかったの?」



「先輩…?教室に居ましたけど。」



「丸井は連れてきて、は連れてきてないの?」



「でも、ミーティングは1・2年生だけなんじゃ…。」






「は仮にもマネだよ?あの子すぐ忘れるんだから。もう一回呼んできて。」





「………了解っす。」







スキダカラ









幸村先輩に言われ(というより命令され)もう一度、俺は先輩の居た教室に向う。

まったく、俺をパシリにする幸村先輩も幸村先輩だけど、先輩も先輩だ。

マネージャーなのにミーティングを忘れるか?俺だったら忘れねえ(いや、忘れるか?)

まあ、俺もすっかり忘れていた。


「丸井を連れて来い」


その伝言を一心に受けて、丸井先輩を連れてくることだけに意識があった。

先輩がマネだった事なんて忘れてたぜ(こんなこと言ったら怒られるが)

そもそも、俺は先輩が苦手だ。初対面ってのは大事だと思う。






(くそっ、面倒くせえ)







ブツブツ言いつつも、あっと言う間に、さっきまで丸井先輩と先輩が居た教室のドアの前まできていた。

話し声が聞こえる。ドアの小窓から中を覗く。



先輩は―――――――居た!









ガラッ









先輩を教室内にいることを確認した俺は勢い良くドアを開ける。

先輩はビックリしたようで目を見開いて、俺の方を見る。

右手には携帯電話。







話し掛けようと俺が足を一歩踏み出したら、先輩は携帯に意識を戻した。




「もしもし!?」


「あのね、見つかったよ!」


「そう。ん?ああ、大丈夫!も知ってる。」





先輩は携帯を俺に向ける。





「あんたの名前は?」



「…切原赤也っすけど。」








「聞こえない。もう一回大きい声で。」



「切原赤也っス!!!」








行き成り話し掛けてくるかと思えば、俺に名前を名乗らせる。謎。

一体何がしたいのか、俺には理解不能。すると先輩は再び携帯を自分の右耳に持っていった。





「聞こえた?うん、そう。切原くん。

 びっくりした〜?仲良いんだよ〜。

 丸井がとも切原くんとも遊びに出かけたいって言ってたの思い出してさ。

 そう。うん。オッケー?じゃあ、日曜日に決まりね。」






やっぱり俺には理解不能。しかも『決まり』って何だ?

遊びたいとか言ってたよな。・・・・俺と遊びたいってこと?

俺はそんなに人気者なのか?そういや、この前同じクラスのマユミちゃんからも差し入れ貰ったし、

2組のアヤちゃんからもクッキー貰ったよな。それはつまり『好き』ってことで、丸井先輩も同じ---ってことか?!






「うん、はいはい。じゃあねー。

 切原くん、あのさ、今度の日曜日---」



「お、俺はそんな趣味は無いっすよ!」



「……(何言ってるんだか) 今週の日曜日って部活無いよね?」



「…はっ、はい。…確か無かった筈っス。」



「決まり!切原くん、今週の日曜日に私と切原くんと丸井とで遊ぼう?てか、遊んで?」



「…はい――――って、ええーー?!?!」



「勿論、タダとは言わないよ。そうだなぁ……焼肉奢ってあげる!しかも2回!」



「了解っス!」










◆◆◆








と、(焼肉2回奢りと言う言葉に引かれ)勢いでOKをしたものの、俺は重大なことに気がついた。









先輩と話した後、ミーティングがあることを話した俺。

そうしたら先輩は慌てて教室を後にした。俺も急いでその後を次ぐ。先輩は足が速いみたいだ。全く追いつかない。

『廊下は走るな』っていう、ポスターを無視して先輩は疾走する。





部室の手前やっと先輩に追いついた。




先輩は恐る恐るドアを開けていた。

俺も何事かと、先輩の後ろからゆっくり開くドアの中を覗く。



「、遅かったじゃないか。(ニコ)」


「あー!!仁王に騙された!」



「・・・ピヨ。」







どうやら先輩は仁王先輩に“ミーティングは無い”と言われたようだった。

うまい具合に騙されたらしい。

流石ペイン師と言われるだけある先輩だ。いや、パイン師だっけ?まあいい。


問題そこじゃない。






丸井先輩は先輩を好きで、遊ぶ時はきっと、いや絶対アピールするに決まってる。

それに便乗して先輩も2人をくっつけようとして、

そうしたら---だ、


俺と先輩は二人きりになってしまうのではないか?!






そしたら、さっきの事は断った方が懸命だ。(焼肉2回は惜しい事だが)

仁王先輩と話す先輩の方に踏み寄る。


「…先輩。あの「おい!赤也!」




バットタイミング。行き成り俺の肩に腕を組んできたのは丸井先輩。




「なんス「聞いたぜ!俺との愛を取り持ってくれるんだってな!頼りにしてるぜぃ。」





風船ガムをプクゥと膨らませて、丸井先輩はニカっと笑った。

・・・・・・・・・断れねえ。









「これ、俺のアドな。詳しい事はあとで連絡すっから。

 おまえ、アド持ってるだろ?俺にも教えろぃ。

 あと、切原だと言い難いから赤也って呼ぶな。別に気にしないだろ?まあ兎に角。


 日曜日、頼りにしてるぜぃ?」







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久々の更新。
テニスシーンが無いのはいつものことです。
それにしても、王様ですね。幸村くん(笑
[2007/3/6  piyo]