「、お昼食べに行こう。」 「あいよ〜、何処で食べる?」 「うーん……天気が良いから屋上行こっか!」 あたしとはそれぞれお弁当を持って屋上に足を向けた。 スキダカラ 立海大付属中学校の屋上は昼休みのみ、開放されている。 晴れた日には其処はお弁当を食べる(または告白する)のに絶好の場所となっている。 ただ、立海の校舎は広く、屋上までの道程が長いために利用者は少ない。 其処に目をつけ、とはよく利用してる。 ――ガチャ 2人は辺りを見回す。 見た所、誰一人居ない。 「ふぅ〜、今日も誰もいないね。」 「全くだね。貸し切り状態じゃん♪」 2人はドアから死角の日陰となっている場所に座り込んだ。 そして、お弁当を広げる。独特の、お弁当の匂いが広がる。 「「いただきまーす」」 2人が箸を持ち、おかずに手を出した時だった。 ――ガチャ ドアをあける音だった。 「あっ、誰か来たみたいだね。」 「だね。折角貸切だったのにねぇ。」 呑気に“誰が来たんだろうね。”と話していたら声が聞こえた。 1人ではない、どうやら2人で男女の声である。 私とは無言で目を合わせ、 “コレは告白だね” と、アイコンタクトを交わした。 無論、とは女の子。 誰が誰に告白か、興味津津である。 お弁当と箸を置き、そっと、覗きをする。 「なに?話って。」 「あのっ・・・わざわざすみません。私、1年2組の山本と言います。 その・・・・先輩のことが好きです!私と付き合ってください!!」 「・・・・・・・・悪い。俺、好きな奴が居るから。」 「あっ・・・そうですか。」 「ごめんな。」 「いえ、でっでは、失礼します!」 女の子が屋上から出て行く。 ガシャン 俺はフェンスに凭(もた)れ掛かった。 そして溜息を一つ吐く。 (ったくー…、からの告白じゃなきゃ意味ねぇんだよ。) 今朝、靴箱に入っていた手紙を見たときは嬉しかった。 『もしかしたらかもしれない』そんな期待が俺のなかにあった。 そんなはず無いのに。が何度も言っていた、『は今は恋愛に興味ないよ』と。 そんなこと百も承知。 ただ、少し期待してしまっただけなんだ。 俺は購買でかったメロンパンを開け、齧(かぶ)り付いた。 口の中に広がる甘い味とは反対に俺の心境は苦い。 もう2年になる。に片思いを始めてから。 きっかけはだった。 と仲良くなって、『この子、っていうの。かわいいでしょ?』とプリクラを見せられた。 一目ぼれだ。そこから俺はアプローチを始めた、コレでもかって言うほど。 なのに、なのに、 「なんで気付かねーんだよ!こんなに好きなのに!」 「丸井先輩!」 「ん?あぁ・・?」 俺の目の前に現れたのは切原赤也。2週間前試合をしてからよく話すようになった。 こいつは面白い上に負けず嫌い。うかうかしてたら俺も負けるんじゃねぇかと思うくらい強い。 しかし、なんでまたここに居るんだか。タイミングが悪い、否居たほうがいいのだろうか。 「なんか叫んでましたけど、教室に丸聞こえっスよ?」 「いーんだよ、寧ろ気が付いてくれ状態。」 「へぇ、恋してるんスか。」 「あー、まあな。青春真っ盛りだからよ。」 「どんな人、なんスか?」 「あー、クラスの女。」 「クラスの人・・・・・・先輩っスか!?」 「は!?違っつーの、なんでなんだよ。」 「仲いいって有名っスよ。テニス部1年の間では。」 「はぁー、マジかよ。」 丸井先輩は心底嫌そうな顔をするとしゃがみ込んだ。 だって、先輩と丸井先輩はいつも喋っていて仲が良いから俺等1年の間では 『ラブラブカップル』 だなんて呼んでいた。違ったのか。 2人の間に微妙な空気が流れる。気まずい。何か話題を振らないといけない、 けど何を喋る?俺の思いついた話題、たった一つ。 「先輩ってー、どんな人なんスか?」 「なに、気になるのか。」 「いや、なんとなくなんですけどね。」 「そうだなー、うーん・・・テニス部のマネやってて、 頭が良くて、それなりに運動が出来て、 俺の恋を応援してくれている奴。」 「友情ってやつっスね!」 「そう!それ!俺、の親友のって奴が好きなんだよ。」 「ほんと、可愛い奴でさ、俺大好きなんだ。」 BACK NEXT ========================= ぐったぐた。さて、どうなる。 丸井の恋。もう一つの恋。 [2006/10/9 piyo]