先輩が焼肉を奢ってくれた日から、 あっと言う間に2ヶ月が経ち、 遊園地に行った日から2ヶ月と7日が経った。 それ以来、俺と先輩に特別な接点があるわけでもなく、 ただの平部員とマネージャーという関係が続いていた。 最も、俺は特別な関係なんて望んでいるわけでは無いんだけれど。 望んでいない・・・はず。 スキダカラ 季節はあっと言う間に過ぎていく。入学当初は満開だった桜の木も、 見れば真緑に姿を変えていた。暑い夏が来る。 「あー、だりい。」 今日はやけに蒸し暑い。もうすぐ梅雨が来るからだろうか。 俺はつい3日前にあった席替えで手に入れた、窓側後という最高の席の 自分の机に足を乗せ、窓の外を眺めた。ここからはグラウンドが良く見える。 「切原、ダルそうだな。」 前の席になった阿達が頬杖をつく。 「なんか暇なんだよ。」 「ふーん。勉強でもしたらどうよ?」 ニヤニヤと阿達は笑った。そうか、こいつこの間の試験学年2位だったんだっけ。 見た目は馬鹿なくせに頭いいでやんの。あー、むかつく奴。軽く自慢してるのか? 「むかつく奴だな、お前。死んでも勉強しねえ。」 「そんな学年357位の切原くん、窓の外にあの人がいるよ。」 阿達が刺す方向を見れば、グラウンドにTシャツ・短パン姿の先輩。 普段マネージャーの時は長ジャージなのに、今はしっかりと露出しちゃって。 次の時間は100メートル走だろうか、アキレス腱を伸ばしている。 意外と足綺麗じゃん?なんて。あ?別に足フェチなわけないぜ。 (あ、笑ってる、しかもお腹を抱えて。楽しそう。) 丁度、ベルが鳴った。同時に教師が教室に入ってきて生徒は自分の席へと戻る。 後ろを向いていた阿達も前を向きなおした。俺は頬杖をつき、窓の外を眺める。 次の時間は退屈な英語。俺はずーっと外を眺めようと決めた。 * * * 放課後、俺はすぐに部活に行く。テニスバックを背負い、バタバタと走っていると 部室の前で先輩と丸井先輩が立っていた。既に二人ともジャージに着替えている。 親しげに笑い合って、しかも楽しそうで。 なんだろう。無性に腹立つ。 「お!赤也じゃん!」 丸井先輩が俺に気付き、ガムをプクーッと膨らませて手招きをした。 「切原くん丸井の惚気話聞いてあげて。私ウンザリ!」 「あ、てめえ。…赤也聞くか?俺とのラブラブ話v」 語尾にハートマークまで付けちゃって。 先輩とも仲良いくせに、さんとのラブラブ話まで聞いてらんねえ。 「俺着替えてくるんで。」 ドアを開け乱暴にバンと閉める。 先輩と丸井先輩ちょっと吃驚してたみたいだけれど、そんなの知らねえ。 「なんか怒ってたね。切原くん。」 「だなあ。…嫉妬かな。」 「嫉妬?」 * * * 日も落ち、今日の練習も終了。俺は部室でうきうきと着替えをしていた。 なんでかって?この後はと帰るからに決まってるだろぃ。 ネクタイを結んでいるとブスっとしている赤也と目が合った。 なんだろう、こいつ練習中もずっと俺を睨んでたんだよな。 「丸井!これこの前のプリント!」 ドアをバタンと開け、が堂々と入ってくる。 言って置くが俺たち着替えている最中。 ヒロシなんて上ワイシャツに下パンツの姿だぜ。可哀想な奴。 「、俺ら着替え中。」 俺はプリントを受け取る。 「知ってる。覗きの趣味は無いから安心してよ。」 「そりゃーよかった。」 そうするとは「じゃね!」と言って部室を出て行った。 俺はプリントを見る。なになに?あー、合宿のことか。 するとプリント越しにギラギラと視線を感じた。 見れば赤也が睨んでるじゃねえの。 「何?赤也、俺に用?」 「別に何でもないっス。」 「嘘こけ。不満な顔してるじゃねえの。」 「幸せいっぱいなアンタには関係ありません。」 「…あんさあ。」 俺は赤也に近付き、ベンチ座って靴下を履いている赤也に視線を合わす。 「お前俺に嫉妬してるだろ?」 「べっ、別に!」 真っ赤な顔して否定して、可愛い奴。 「の事好きなんだろ?」 「ち、違っ「違くねえ。気付いてねえだけだろ。」 赤也は黙り込み、俯く。 「お前、の事好きなんだよ。意識してねえだけ。 俺とが喋ってたらイライラするんだろ?間違いねえよ、嫉妬だ。」 「でも、俺どうすれば…。」 「そういえば、俺のダチが今日に告白するとかしないとかー…。」 俺は思い出したように呟く。 赤也は急いでブレザーを羽織ると鞄を持って俺に礼をした。 「俺、帰ります!お疲れした!」 バタンとドアを閉めて走り出した後輩。 俺は仁王と目を合わせ、クスッと笑い合った。 「アイツ、鈍感じゃな。」 「も負けずに鈍感だぜぃ?」 BACK NEXT ========================= もうすぐ終わります。多分(笑) しかも更新が遅くてすみませんorz 気付かない恋に終止符が訪れました。 さて、どうなる?笑 [2007/10/14 piyo]