空は、青色の絵の具を塗ったように、雲ひとつない快晴だった。
見れば見るほど瞳が吸込まれていくような気がする。
表現するには…快晴、違う、もっともっといい天気。
瞳に溜まる涙も、1秒も経たないうちに乾いてしまう。
所詮、それは比喩に過ぎないけれど。
気温もそろそろ下がってきても良い頃なのに、東京は相変わらず暑い。
本当に冬が来るのか、心配になってくる。
いや、それよりも私の恋の行方の方が重要だ。
今日は、忍足の誕生日だというのにまだ祝っていない。
一週間前、なんとかプレゼントを渡す口実を作ろうと思って、
プレゼント交換をしよう、そこまで話題を持ってきたけど、
きっと忘れてる、いや、絶対忘れてる。
「忍足、誕生日いつ?占いしてあげる。」
「なんや、何占い?」
「電化製品占いだって。忍足いつ?誕生日?」
「俺は10月15日や。」
「へぇ!もうすぐだね!プレゼントあげよっか?」
「ホンマか?嬉しいわぁ。」
「その代わり、私の誕生日にも頂戴ね。」
「おお、まかしとけ。」
折角、クッキー作ってきたのに。
奴の周りにはテニス部だのファンだの親衛隊だのいっぱいいて、
近付くことが出来ない。
なんどか声を掛けてみたものの、ファンの声で消されてしまった。
それどころか、忍足はこっちに見向きもしない。
というより、話し掛けてくれもしない。
ファンの子には笑顔(胡散臭いけど)で話しているのに。
ひょっとして私、嫌われちゃった・・・とか。
ナイナイナイナイ!
・・・と思うけど。もしかしたら。
だって、現に話せないし、目が合わないし。
プレゼント、無駄になちゃったかなぁ。
結局渡せなかったラッピングされたクッキーが、
淋しそうに鞄の中から顔を覗かせている。。
宿題するのも諦めて、頑張って一人で作ったのに。
涙が一筋流れる。
屋上に寝ころび、空を見る。
蒼い、青い、藍い。
何処までも坦々と。
吸い込まれるその深さにまた一つ、涙が流れる。
無駄になったクッキーを一口、そしてまた一口、口に入れる。
グラウンドからは、1年生だろうか、若くて元気のいい掛け声が聞こえてくる。
5時間目、誰も居ないはずの屋上に響くのはクッキーが割れる音のみ。
なにやってんだろ。私。
幾ら悔しいからって、授業サボることは無かったかな。
でも、教室にいても忍足と話せないんじゃ、意味無いか。
「忍足のバーカ。」
ちゃんと約束覚えておいてよ。
「プレゼント無駄になったじゃんー。」
もんすっからかんなんだから。
「二度と作るもんかー。」
本当は作ってあげたいけれど。
「・・・・・・・バカー。」
でも、大好きだ。
「やっと見つけたで。姫さん。」
あまりの驚きに体を起す、と其処にいるのは、忍足。
一瞬、私の時間は止まる。
「・・・・忍足?」
「あたりまえやん。こんなエエ声の男他におらんやろ?」
「・・・・自意識過剰男。」
「酷いなぁ。折角を迎えに着たのに。」
「・・・・授業は?」
「保健室行くって言って置いた。」
「・・・・・サボりじゃん。」
「先にサボったのはやろ?」
「さあ、どうでしょう。」
「なんではぐらかすや。なんかあったんか?」
忍足は私の右に座り込む。
「がサボるなんて珍しいやん。なんかあったんか?」
「・・・・・・・・・・青空が私を呼んでたから。」
「アホか。うそやな。じゃあその涙はなんなんや?」
「あー・・・うーんと、青空に感動して。」
「・・・さよか。なぁ、俺今日誕生日なんやで。」
「知ってる。」
「誕生日プレゼントは?」
「・・・・・・・ない。」
「そこに落ちてるクッキーの抜け殻は?」
「・・・・だって、忍足私のこと避けてたみたいだし。」
そういうと、忍足は一瞬驚き、困った顔を見せたがすぐに微笑んだ。
「嫉妬してくれたんか?」
「ちっ…違うよ!(///)」
「・・・俺、欲しいもんあるんや。、くれるか?」
「高いものは駄目だよ。」
「安心せい。大丈夫や。」
いきなり、忍足の手が私の頬を包んだかと思うと、
一瞬で、
瞬きする暇も与えずに、
キスされた。
「誕生日プレゼントはでよろしくな。」
「っー・・・・不意打ち過ぎ。台詞がクサイんだよ…バカ。」
2人でゴロンと寝ころぶ。
折角の君の誕生日なんだもの。
授業はサボってしまおうか。
青空の下、君と一緒に
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関西弁むずーー。
てか、非関西弁だし、非忍足だし。
空って偶に、すごい蒼い事有りますよね。
それが書きたかったんです。多分。
HAPPY BIRTHDAY YUSHI
[06/10/14 piyo]
[09/01/01 修正]