花曇り 「もうすぐ春だってのに、この天気どうよ?」 「あたしは好きよ。」 「お前変わってんな。 曇り空が好きなんて奴そうそういねえよ。」 「曇り空は好きじゃないわよ。」 「わけわかんねー。」 「見てみ。」 私は窓のすぐ向こうの大きな桜の木を指す。 私たちの教室は2階で、窓を開いて見を乗り出せばその枝に触れれる程。 そこにはぷっくりとした新芽が、春の冷たい風に晒(さら)されつつも、 堂々と確かに生えていた。あと少し。もう少しで花が咲きそうである。 「見るって・・桜?」 「そ。曇り空でも花があると風情があると思わない?」 「よくわかんねえ。」 「あ、そ。ねえ宍戸、今年の開花っていつ?」 「俺が知ってるわけねえだろ。まだなんじゃね?天気悪いし。」 「早く咲かないかなあ。」 「咲いたら花見でもすっか?」 「いいね!行こう。約束ね。」 私が小指を突き出すと、宍戸は一瞬顔を顰(しか)め躊躇ったが、 ずいっと突き出して、私の小指を絡め言った。頬は赤い。 「指きりなんて小学生以来だぜ。激ダサ。」 「照れないでよ。こっちも照れる。」 「て・・・照れてねえし!」 「耳まで真っ赤なのによく言うよ。」 早く、花が咲きますように。 楽しみで楽しみで仕方がないわ。 ================ ◆拍手お礼夢 名前変換なくてゴメンなさい。