スウィートビター 「来週の日曜は?」 「駄目じゃ。用事がはいっとる。」 「じゃあその次の土曜日。」 「午前が部活。午後が柳生とデートじゃ。」 「じゃあいつなら良いのよ。」 「来月の第三日曜なら暇ナリ。」 「・・・雅治本当腹立つ。なんなのよ。」 私はそこ等辺にあったペンを一本とり、 雅治に軽く投げつけた。彼は自分にあたったそれを左手に持ち、 クルクルと器用にペン回しをする。 「姫さんは短気やのう。」 何呑気に言ってるんだ。 私はもう一本筆入れから出し、手に持った。 「柳生とはデートするくせに。」 手に持ったそれを投げた。 「ダブルスは一心同体なんじゃ。たまには交流もせんとな。」 彼もまたそれを投げ返す。 「はあ…つまんない。」 投げ返されたそれを再び雅治に投げると席を立った。 「帰るわ。暇な日見つけたら後でメール頂戴。」 「じゃあね。」そう言おうとした瞬間、 背中に温かいものを感じ、 肩の上に重みを感じ、 左耳には微かな呼吸が聞こえた。 つまりは雅治に後ろから抱きつかれている訳である。 その上肩に雅治の頭が乗せられているのである。 「帰さんぜよ。」 「その台詞何度聞いたことか。」 「ドキドキせん?もう慣れっこかの?」 「無茶苦茶してる。慣れる訳ないじゃん。」 いつもこう。そして次の行動は決まっている。 雅治は私の身体を自分に向けさせ、 色っぽい瞳で私を見つめた後、 ゆっくり、ゆっくりと顔を近づけキスをする。 そしてギュッと抱きしめた。 いつもなら、部屋に行き、 部屋で二人きりで過ごすのだが、 今日の私は違う。とてもアウトドアな気分。 お姫様抱っこをしようとする雅治を止め、 瞳をじっと見て言う。 「ねえ、今日は外行こ?」 「ヤダ。」「ケチ。」 「部屋でいちゃいちゃした方がいいじゃろ?」 「よくない。」 「俺はそっちの方がいーの。」 「馬鹿。」 結局いつものように抱っこをされ、部屋まで行く。 ここから先は完全な二人の世界。 甘くて苦い。チョコレートのような僕等の恋は、 まだまだ溶けそうにもない。 ================ ◆拍手お礼夢 名前変換なくてゴメンなさい。