アンタは強引。
我儘に強引に
「好きなんだ。さんのこと。」
(・・・困った。またか。)
全国の女子が羨むような台詞を放ったのは。
彼女は頭を掻いたり窓の外を見たりして、どうやって断ろうかと考えていた。
彼女に彼氏が出来た事はなかった。かといって女子が好きなわけでもない。
目の前にいる男子からの告白はコレで3回目。
好意を持ってくれているのは嬉しいが、3回となると相当しつこい。
いや、確かに嬉しいのだが。本当に申し訳ないのだが、
「ごめんなさい。私今勉強で精一杯で…。」
本当にごめんなさい。と、は心の中で何度も謝った。
に告白した男子は「そっか。悪いな。」と残し、笑顔を作って教室から出て行った。
悪いな、の意味はきっと“何度も告白して、悪いな”であろう。
ずっと一途に自分を思ってくれるのはありがたいが、にはどうしても付き合えない理由がある。
開けっ放しのドアを見て、は小さく、
聞こえるか聞こえないか分からないほど小さく呟いた。
「うーん。やっぱ髪と体系がねえ…。」
そう。はとてつもなく面食いでとても理想が高かった。
だからか恋人が出来ることもなく、男性にトキメクこともなかった。
「さっきの男、涙目だったぜ?」
開きっぱなしのドアから入ってきた銀髪。仁王雅治。
テニス部の練習はないのか、制服姿の彼は行き成りの前に現れた。
は思わぬ来客に少々驚いたが、フフッと笑うと仁王に返事をした。
「仁王、あんた部活は?」
「あるぜ。今まで面談しちょった。」
「あ、そう。」
「男を泣かすとは、やるのう。」
「うーん。悪いことしちゃったかな。」
「3回目じゃろ。告白。」
「うん。…なんで知ってるの?」
「ピヨッ。」
「……。」
仁王はの隣に来ると、近くの机に上に腰かけた。
部活に行かなくて良いのだろうか、そう思っていたが仁王は話を続けた。
「アイツ、校内でも結構有名じゃよ?女子が騒いどる『かっこいい』って。」
「そうなんだけど、なんか気に食わないの。」
「…ほう。どのへんが?」
「まず髪型がなってない。イモ臭い。
あと体系。あれは細いんじゃなくてガリガリ。
勉強がイマイチなのも頂けない。他いろいろ。」
「我儘な姫さんじゃのう。一生男が出来んぜよ。」
「いいのよ。邪魔臭いだけだし。」
がそういうと仁王はククッと笑った。
「何か文句でも。」
「いや。特にない。」
「じゃあ部活行けば?幸村君に怒られるよ。」
「そうじゃの。説教は御免じゃ。」
仁王は机から立ち、ドアに向うかと思えばの目の前に立った。
と仁王は向かい合う形になる。顔が近い。キスも可能な距離である。
は多少ドキドキしつつも、平然と言った。
「…顔近い。」
「まだまだ道程は遠そうじゃのう。残念じゃ。」
「何の話よ。」
「俺の恋の話。」
「は…」
「はあ?」と言おうとした瞬間。刹那。
視界は銀色になり、頬に柔らかいものがあたった。
徐々に仁王の顔が離れる。彼の顔は平然としていた。
「強引にでも手に入れて見せるぜ?」
軽くウインクをすると仁王は何事もなかったかのように去っていった。
は辛うじて今自分の置かれている状況が理解できた。
理解できた瞬間、頭の中が一気にパニックになる。
「わ…わけわかんない。」
さっきからずっと開いたままのドアを、仁王が出て行ったドアを眺めて
また小さく呟いた。
「強引すぎるわよ。」
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うううむ。よく分からなくなってしまった。
許しておくれ;;笑
仁王さんは強引だと思う。絶対。
[07/10/31 piyo]
[08/12/19 修正]