「おばあちゃん、どうしてそんなにお口が大きいの?」







「それはね---赤頭巾を食べるためだよ。」














狼と赤頭巾















窓の向こうに広がる空は、果てし無く続いていた。

青くて深い空。見ると、どんどんと吸込まれていく。

その空に、ぽつんと浮かぶ白い雲が余計に空の青さを強調している。



(わたあめみたい)




お腹がぐーとなった。こんなこと日常茶飯事。大して恥ずかしくも無い。

黒板の横の壁にかかっている時計を見れば

短針はとうに12を過ぎている。どうりでお腹が空くはずだ。

ふと、横を見下ろせば机に伏せて寝ている人物が一人------仁王雅治。





(よく、こんなに堂々と寝れるもんだよ)





感心交じりの軽蔑の目で見ていると、仁王の顔が私の方を向いた。瞼はまだ閉じている。





(全く、女よりも綺麗な顔してるよな)





本当にこいつは顔が綺麗だ。肌も綺麗だ。羨ましいくらい。

席が隣になって初めて思った。

ほんの数秒、仁王の顔を観察した私は再び空を見る。

さっきの雲は何処かへいってしまって、かわりに少し大きめの雲があった。




(ソフトクリームみたい)




ぐー、再びお腹が鳴る。どうやら相当空いているらしい。一時間目の体育の所為だろうか。

右に視線を移す。仁王の目は開いていて私の方を見ていたようで、目が合った。





「お腹2回もなったじゃろ?」





なんだ、聞こえていたのか。というより寝てなかったのか。まんまと騙された、流石詐欺師。





「なった、お腹減ったんだもん。」





仁王はククク、と笑った。相変わらず、裏のありそうな嫌な笑いだこと。





「いいのもあげるか?」





仁王はズボンの右ポケットから飴を取り出した。

茶色い包み紙からしてコーヒー味のよう。フルーツ飴が90%を占める私とは大違い。





「欲しい、頂戴。」

「ほれ。」





仁王は差し出していた私の手に飴を置いた。

早速包みを開ける。いっておくが授業中。といっても残り5分、

先生は世間話をしていて私と仁王など眼中になさそうだ。





「ありがと。頂きます。」





私が飴を口に入れた直後、仁王も手を差し出した。

『何かくれ』とばかりに指を動かしている。





「アンタもなんか欲しいの?悪いけど飴は既に私の口の中だよ。」

「俺は飴はいらん。」

「じゃあ、なにさ。」

「が欲しい。」

「馬鹿か。」

「俺はマジ。」

「そのうちあげるよ。」





私は伏せたまま見てくる仁王にデコピンをした。

仁王はまたククク、と笑った。





「素直じゃないのぉ。そのうちと言わずに5分後に襲うぜよ?」

「やめてくれ、あんたは狼か。」





「なら、は赤頭巾ちゃんじゃな。」

「ヤギじゃなくて?」

「食べるなら可愛い女の子の方がよかよ。」

「お褒めの言葉ありがとう。」




仁王に向って微笑む。彼はいつもと違うニコ、と柔らかい笑いをした。








(かっこよすぎるんだよ、アンタは)








丁度、終了のチャイムが鳴った。

私の頬は真っ赤に違いない。

赤頭巾のように。
































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仁王さん、今ブームです。私の中でね。
裏のある笑い、大好きデス。笑。
仁王さんが隣りの席って、毎時間ドキドキしまくりだよね。
[07/02/28 piyo]
[08/12/21 修正]