「跡部、最近どうよ?」

「アーン?何がだ。主語を言え、主語を。」

「だから……彼女とよ。」

「聞くまでもねえだろ。」

「そうでしたねー。」



彼女の事を聞かれても顔色一つ変えない跡部はすごい。

流石跡部、ポーカーフェイス。

あたしだったら、好きな人の名前を聞いただけで

ドキドキして真っ赤になってしまうのに。

通路をはさんで隣の席に座り、優雅に洋書を読む彼を

じーっと眺めた。相変わらずハーフみたいにイイ顔してる。



「…今日で半年でしょ?記念デートしないの?」

「お前には関係ねえだろ。」

「教えてよ。は教えてくれないんだもん。」



ふっと、大親友の顔が浮かぶ。

彼女は今、違う教室で跡部のことを考えているのだろうか。

彼女でもないあたしが跡部の隣に座り

がいないことを良い事に彼に話し掛ける。

跡部と同じクラスでよかった。授業時間だけ、彼を独占できる。


じっと見ていて、視線が痛かったのか、

跡部はあたしに目線を向けると、ふっとひとつ溜息をする。

洋書に目を戻し、「家。」と一言放った。



ふーん、家デートか。



「もしかしてお泊り?」

「だったら何だ。」

「ふーん、そういうことか。なるほどね。」

「一体なんだ。」

「いやいや、お二人とも幸せなんだなあって思っただけ。」



あ、しまった嫌味な言い方だったかも。なんて思っても

時既に遅し。跡部は眉間にしわを寄せた。

でも大丈夫、こんな跡部慣れている。



「ちょっとくらい僻んでもいいでしょ!

 あー、あたしも彼氏欲しい。」



でもいらない。あたしは跡部が欲しい。



「まずはその男勝りな性格を直せ。」



勝気な女、気の強い女を好んだのはあんたでしょ。



「はいはい、それが出来たら苦労しないわ。」




丁度良く鐘が鳴った。跡部は洋書をパタンと閉じると

カバンから教科書を取り出す。あたしもスクールバックから

英語の教科書を取り出した。教師が勢いよくドアを開けると

「起立ー」という号令と共に授業が始まった。





モヤモヤが身体から消えない。

かれこれ半年消えない。


彼にを紹介したのはあたしだ。

悪いのはすべてあたし。



『あ、跡部じゃん。部活おつかれー。』

『ああ…こんな時間までなにやってんだ。』

『日誌書いてたんだけどさ。

 とのお喋りに花が咲いちゃって。』

『…?隣の奴か。』

『あ、跡部君はじめまして。

 早紀の親友のです。』

『ああ、よろしく。』



あの時、親友の名を教えなければ

彼と彼女は出会うことは無かったのに。


横目で跡部を見る。

英語なんて勉強する必要ないだろうに

真面目にシャーペンなんかもっちゃって。



きっと今夜、彼と彼女はセックスをして

より一層強く深い絆で結ばれて

そしてあたしはますます跡部と離れる。



誰よりも跡部と仲が良かったのはあたしなのに、

出会って未だ1年にも満たないが跡部と繋がる。



ああ、なんて惨めなんだろう。

少しくらいあたしの想いが報われてもいいじゃないか。










そして今夜、幸せそうな二人を思い出し、

きっと私は涙する。
























ぶるうろうず
(彼に愛されたいなんて無謀な願い。そんなこと知っている。)



























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青い薔薇は不可能の意。
大好きな親友と友達だから
決して仲を裂くことができない。
[09/02/05 piyo]