「・・・で、結局どうなったの?」
「どうもこうも、何も無いまま終わってしまった。」
「はぁ、そんなチャンス無駄にしちゃってどうするんスか〜。」
「・・・う、うむ。」
もうすぐで夏も終わる、そんな日の午後、
立海大付属中学校のテニス部の部室にて会議が行われていた。
議題提案者は真田だった。1ヶ月前の事、夏の強化合宿に明かされた。
*
合宿2日目の夜。練習でクタクタに疲れたのにも関わらず、部屋の中は騒がしい。
部屋割りは4人1部屋。真田・幸村・丸井・柳生が101号室。
仁王・柳・切原・桑原が102号室で同じ部屋であった。
時刻はまだ10時。彼らはまだまだ若い十代。
レギュラー全員は101号室に集まって枕投げやら暴露大会やらゲームやらいろんなことをしてた。
切原・丸井主催の枕投げ大会も終盤に掛かっている。
既に負けてしまい、疲れ切った真田は読書をしていた柳に近寄った。
「蓮二、ひとつ相談が有るのだが・・・」
視点を本から真田に向ける。柳が問い掛けた。
「珍しいな、なんだ。」
「・・・・・を知っているか?」
「・・?あー、2組の委員長でしょ?」
「!?!?」
蓮二にひそひそと話していたはずなのに、何故幸村が出てくるのか。
疑問に思う真田だったが、いまはそれどころではない。何しろ幸村だ、
黒魔術でも使ったのだ。真田はそう思うことした。
幸村と柳は真田の話を聞き始めた。
丸井・切原・仁王はジャッカル・柳生を徹底的に枕で攻撃している。
真田達には気が付かないようだ。
「それで、どうしたの?」
「う、うむ。その・・だな、最近、とよく話すようになったのだが・・・」
真田の話はこうだった。
* * *
真田がと知り合ったのは1ヶ月前。中央委員会での事であった。
クラスの委員長が欠席のために真田は代理として出席した。
副委員長もいるのだが、どうも信頼性に欠ける男で、真田は担任直々に頼まれたのである。
中央委員会時、隣に居たのがであった。いくら委員会といえど、初めてなので右も左も分からない真田。
プリントをもらっても何をクラスに伝えればよいのかさっぱりわからない。
そして、あっと言うまに委員会は終わってしまった。
いつの間にか終わってしまった委員会に真田は焦った。一体何を伝えるべきなのだろうか、
冷静を保ちつつ頭の中はパニック状態である。
そこに、救いの手が現れた。それがだった。
「明後日までにこのアンケートクラス分を回収してくればいいんだよ。」
真田は突然話し掛けられてとても驚いた。と同時に、
まだ名前もわからなかったに感謝した。
「む・・すまん。恩に着る。」
「テニス部の真田君・・・だよね?真田君でも途惑うことあるんだね。」
「う、うむ。なにしろ初めてこの場を体験したのでな。少々緊張してしまった。」
「あはは。真田君、緊張することあるんだ。」
「あたりまえだ。試合などでは心の中は緊張でいっぱいだ。」
「でも、勝つんでしょ?」
「もちろんだ。それが立海大付属テニス部だからな。」
真田は自分に驚いていた。初めて会った人間とこんなにスムーズに話せるものなのか。
自分自身、一日に女子と話す回数はとても少ないためか、会話はあまり慣れていないのに。
それから、今までは意識しなかったが急にを意識するようになった。
クラスが近いためか、廊下などでもよく会った。目が合うと必ずは真田に挨拶をする。真田は満更でもなかった。
そして用も無いのにトイレや水飲み場など、廊下に出ることが多くなった。無意識にの姿を探していた。
*
二週間前、真田に一生に来るか来ないか程のチャンスが到来した。
図書館でにバッタリと出会ったのである。普段は練習があり、図書館には足を運ばない真田。
その日はテニスの練習の帰りに気まぐれで寄っただけ。しかし、神は味方している。ラッキー真田とでも言おうか。
目の前にがいるのだ。
の向かいに座りチラチラを視線を送る。は気が付いたようで真田に手を振った。
「真田君も図書館に用事?」
「う、うむ。読みたい本があってな。」
図書館だからこそ、大きな声では喋れないが、真田は至福の時を過ごした。
本で顔を隠しながらにやけていた。
◇
「副部長、そう言うときはメルアドとか聞かなきゃ駄目っスよ。」
その後、真田は柳に相談をしたのだが、いつの間にかレギュラー全員が知っていた。
だが、味方は多いほうが良い、そして幸村主催の会議は施された訳である。
「うかうかしていると先に誰かに取られるぜぃ?」
「思い切って、告白してみたらどうですか。」
「いや、まずはアド聞いた方が良いだろ。」
「よし、真田。次にちゃんに会ったらメルアド聞いて、告白しな。」
幸村も滅茶苦茶を言うものである。だがそれ以外に道はない。
真田は実行を決意した。ガチンコ勝負だ。
◆
月曜日の朝、真田はに会えるまで廊下を行ったり来たりしていた。
意味も無い朝の三度目のトイレから出てきた真田はやっとと出会った。
「あっ、真田君。おはよう。」
「っ・・!おはよう。はっ・・話があるのだが。」
「話・・?どうしたの?」
「そ・・その。めっ・・・」
「芽?」
「・・・俺はお前が気になっている!
だっ、だから、メッ・・メルアドを教えて欲しい!」
は口がぽかんと開いたままである。
無理も無い、行き成り『お前が気になっている』なんて言う男がいるとは。
否、真田だからそれも仕方が無いのだろうか。の口が緩んだ。
「ふふ。いいよ!真田君なら。]
「ほっ、本当か。では、今メモ帳を持ってくるからアドレスを書いてくれ!」
「ふふっ、わかった。あとね、一つ良い事教えてあげようか?」
「む?なんだ。」
「私が自分から挨拶をする人は真田君だけなこと、知ってた?」
私が知ってる
一番
良い事
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書いてて真田が好きになった(笑”
恋に何時落ちるかわかりません。
こんな青年は素敵ですよね。
[07/01/17 piyo]
[08/12/20 修正]