「やっぱ、の髪、イイ匂いするな。」
「……変態発言しないでよ。」
ここ立海大中では、珍しく屋上が常に開放されている。
規律を重んじる学校とされているが、生徒の自主性を鍛えたいだとかなんとかで、
比較的、ルールは緩い。(そもそも、常識外れの事をする生徒が居ないのだが)
だから、こうしてブン太と屋上でのんびりと話を出来るわけで、
こうして、真っ白い雲が浮かぶ空をボーっと眺めることが出来るわけだ。
今は昼休みで、屋上から見えるグラウンドではサッカーやら円陣バレーやら
制服のまま、それぞれ休み時間を満喫している。現に私は20分前まではと教室に居た。
私とブン太は屋上でのんびりとしているけれど、やっぱり同じ思考を持った人はいるらしく、
他にも生徒が5〜6人この空の下の空間に居るみたいだ。
( あ、仁王と柳生がいる )
ブン太はさっきから私に寄り添ってはイイ匂いだなんだの言ってくる。
仕舞いには私の首元で匂いを嗅ぎ、
「香水は、付けてねえよな?」と上目使い。
照れるから止めて欲しい。
傍から見ればバカップルか、あるいは、
かっこいい変態と襲われている女の子だ。
「そう言う意味じゃねえっつーの!!なんかこう…甘い?って感じ。」
「ブンちゃんお腹空いてるの〜??」
「だああ!だから、そういうことじゃねえ。ガキ扱いするな!」
髪の毛をわしゃっと掴み俯くブン太。
あー、怒っちゃったかな?なんて思うけれど、今日は心配要らない。いや、いつもか?
お菓子上げればそこそこ機嫌は良くなるし。
そもそも、ブン太が私を呼び出したわけで、彼が何をいいたいのかなんて一目瞭然。
彼の横においてある大量のプレゼント入りの紙袋をも見れば、誰でも判る。
今日は、ブン太の誕生日なのだから。
「甘い匂い、まだする?」
「……ふん。」
「もう、不貞腐れないの。」
あらら、ご機嫌斜め。
誕生日のこと何も触れていなかったからか、からかい過ぎたか。
きっと、両方だと思うけれど。
「が悪いんだからな!俺のことガキ扱いしやがって。」
「ったく。ブン太くーん、機嫌直して?」
「いやだ。」
「許して?」
「いーやーだー。」
テコでも動かない、かもしれない。
ブン太はムスッとして、胡座(あぐら)をかいて腕組をしている。
さっきまで甘い香りだイイ匂いだ言っていた姿はどこへやら。
でも、そんな彼を放っておけないのが私。
そんなブン太を宥(なだ)めるのも彼女である私の役目。
「じゃあ、口あけて。」
「は?べろチューでもする気か?」
「馬鹿か。良いから開けろ。」
「んあ…ふがっ!」
開いたブン太の口に昨日作ったカップケーキを入れる。
ブン太は一瞬目を見開いたけどすぐに状況を察知したのか、
ケーキを全部口の中にいれモグモグと食べ始めた。
彼の顔を覗き込む。少し、口が緩まっているみたい。
ケーキの効果ありってところかな?
「へへ、美味しい?」
「…こへ(これ)、がふくっは(作った)のは?」
「うん。昨日。だから甘い匂いしたのかもね。」
「う、…うめえ!!なあ、もう一口くれっ。」
「そんなに急がなくてもケーキは消えません。」
ちょっとだけ、意地悪く言ってみる。
なにもかも、愛情が故。
「いや、食いてぇ!さっきのことは水に流すから。」
キラキラと目を輝かせて、口元をペロリと舐めて。
なんだか犬みたい、とまで思ってしまった。
「ブン太は本当、ケーキに弱いんだね。」
そう言いつつ、袋からもう一つケーキを取り出しブン太に渡す。
「サンキュッ」そう言ってブン太は手にとった。
食べるのかと思えば、私の顔を見るなり耳元で囁いた。
「まあな♪でも、俺、ケーキよりもに弱いぜ?」
「……っ////」
「照れんなって。俺のお姫さま?」
今度はブン太が意地悪そうに笑った。勝ち誇ったような笑みで。
ビュウッと風が吹いて、私とブン太の髪がゆれる。
一瞬、ケーキの甘い匂いが私の鼻をかすった。
その直後、唇に、柔らかいものが当たった。
誰のかなんて野暮なことは考えない。相手は決まっている。
私の一番大切な人。
春風
(爽やかな甘い風に胸やけがしそうだ。)
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少し遅れた誕生日夢。ゴメンね。ブン太。
サバサバだけど、ラブラブカップルな設定。
甘夢を目指しましたが;;苦笑
ちょっと変態な人が好きだったりもします(笑)
HAPPY BIRTHDAY BUNTA
[07/04/28 piyo]
[08/12/19 修正]