「赤也見て!息がめっちゃ白い!」

「うお!本当っスね!俺も・・・・うわー、白い!」




吐く息が、白くなる。ただそれだけのことを楽しんでいたと赤也。

二人の横にいたブン太は「餓鬼か。」と一言吐き、マフラーに顔を埋めた。




「ちょ、ブンちゃん機嫌悪くしないでよ!」

「うっせー。俺は眠いの。」

「悪いな。昨日ブン太と朝までゲームやっててよ。

 負けたからこいつ機嫌悪いの。」

「へえー。丸井先輩ってゲーム弱いんだア(ニヤニヤ)。」

「(ブチッ)…なんか言ったか?赤也?」

「なっ何でも無いっス!!」




赤也はジャッカルの後ろに隠れ、弱冠ビクビクしながらブン太に返事をした。

寝不足の時のブン太は気が短い。赤也は何度も経験したので知っていた。




「おーい!待った?」



後ろから声が聞こえる。と赤也とブン太とジャッカルが振り向けば、

幸村と真田と柳がこちらへ向っていた。

幸村は先に来ていた四人の前に立ち、「あとはー・・仁王と柳生か。」と、人数確認をした。

そう、今日はレギュラー全員で初詣に来たのである。




「遅いよ、ユッキー。」

「ゴメンゴメン。真田の家に行くのに迷ってね。」

「しかも弦一郎は準備が終わってなかったしな。」

「へえ、珍しいっスね。ブクブチョーが寝坊っスか?」

「いや、早朝ランニングをしていたら時計を持つのを忘れて時間がわからずに・・・」

「まあつまりは真田が悪いんだよ。」



幸村は真田の言葉を遮りにこやかに真田に「ねっ。」と話し掛けた。

有無を言えない真田は一瞬返事に困り、「・・・すまん」と一言言った。



「なあ、ヒロシと仁王はまだ来てねえの?」

「あー・・・来てねえみたいだな。」

「寒いし眠いし・・最悪。ジャッカル甘酒奢って。」

「あ。あたしも。」

「誰が奢るか。ブン太もも自分で買え。」

「じゃあヒロシと仁王連れて来い。」




ブン太はジャッカルに無理な命令をする。ジャッカルは困惑するが、

「無理に決まってるだろ。」と適当に返した。




「あと1分で待ち合わせ時間だ。過ぎたら鉄拳だな。」




柳が左腕にした時計を見る。あと1分。

規則に厳しい立海は時間にルーズになることも許されない。



「あと10秒。9・・8・・7・・」



柳がカウントダウンをはじめた。そしてと「4」と同時にが叫んだ。



「キャア!!」

「な!どうしたんスか。センパ---!あーー!仁王先輩。」

「どうじゃ参謀、時間チョッキリだろ?」



柳が時計を見る。秒針は丁度0を指していた。



「すみませんさん。仁王くんが言い出したら聞かないもので。」

「だからって、膝かっくんすることないじゃない!吃驚したあ・・・。」

「なんだ、叫び声は吃驚したことへの叫びなんだね。

 もし、が仁王に尻でも触られてたもんなら射殺するところだったよ。フフフ。」

「安心しんしゃい。幸村にも触らせてやるぜよ。」

「仁王!勝手に話を運ばないでよ!!」

「全員そろったんだろぃ?さっさと参拝しようぜ」













--*













「あー、五円玉ない!真田、10円と両替できる?」

「少し待ってくれ。・・・ほら。五円玉2枚。」


「柳先輩、これって拍手3回するんですっけ?」

「いや違う。2回だ。そんなに拍手をすると神にウザがられるぞ。」


「ジャッカルー。礼は最初と最後で2回ずつだよな。」

「いや、たしか最初が2回で最後は1回じゃなかったか?だよなヒロシ。」

「ええ、ジャッカル君の言うとおりです。二拝二拍手一拝です。」


「幸村は何円賽銭に入れるんじゃ?」

「うーん、迷うね。たった5円ポッチで神は俺の言う事は聞いてくれないからなあ。」








レギュラー陣とは賽銭を入れる。カランカランと鈴を三回鳴らし、二拝。

パンパンと大きく手を鳴らし、心の中で、願い事を呟いた。



「「「「「「「「・・・・・・・・・」」」」」」」」



そして、一拝する。

幸村は全員が参拝を終わらせたことを確認すると歩き出した。

それに続いて、他のメンバーも歩き始める。












--*














「仁王君は何をお願いしましたか?」

「ん?秘密じゃ。ジャッカルが知っちょる。」

「は?知らねえよ!」

「そういう柳生先輩は何願ったんスか?」

「私ですか?私は学業成就・・・というところでしょうか。」

「真田フクブチョーは?」

「俺はテニスが上達するように願った。」

「いや、もう十分じゃろ。」

「真田は俺を潰す気なんだよ。生意気に。(ニコニコ)」




仁王と真田と幸村は甘酒を飲みながら、ジャッカルと柳生は温かいお茶を飲みながら、

赤也はホットドッグを食べながら、適当な場所に腰掛け、

願い事についての話をしていた。その近くで立ちながら、とブン太と柳も話をしている。




「は何お願いしたんだ?」




チョコバナナクレープを頬張りながらブン太はに問う。

はホットココアを一口飲むと返事をした。




「そりゃ勿論、世界平和。」

「規模がでけえよ。」

「それだと世界中の神に祈る必要があるな。」




柳が少し笑って言った。そして一口甘酒を飲む。

あっと言う間にクレープを食べ終わったブン太はそれを少し羨ましそうに見た。

に話し掛けられる。




「そういうブンちゃんは?」

「俺は『美味しい一年になるように』って。」

「なにそれー。じゃあ柳は?」

「精神的に大人になれるように・・・と。」

「十分大人だろぃ?」

「ああ。少なくとも丸井とよりはな。」

「あたしはもう精神年齢も大人ですー。」

「ほう?本当か?」

「だって今年は高校生になるんだよ!大人大人!」




の一言に全員は反応する。

幸村が口を開いた。




「そっか、俺ら高校生になるんだ。」

「あまり実感がありませんね。」

「高校も持ち上がるからメンツもそれほど変わらんしのう。」

「でもジャッカルは工業科の方行くんだろぃ?」

「まあな。でも部活は共通だから対して変わらないだろ。」

「あたし部活何入ろうかなあ?」

「む・・・はマネージャーを続けないのか?」

「えー、どうしよっかなあって。」

「そんなことを言いつつ、入る確率は100%だな。」





三年生軍が高校の話題で盛り上がる。笑い合う。そんな中、赤也はじーっと彼らを見ていた。

話題についていけず、少しつまらなそうである。




「俺、お守り買ってくるっス。」




不機嫌そうに立ち上がって赤也は立ち上がった。

その背中を見て、は言う。




「やっぱ、赤也寂しいのかな?」

「多少はそう思うかも知れんが・・・仕方の無いことだ。」

「赤也も成長しなきゃね。」

「部長にもなったしのう。」

「でもアイツは一人で抱え込むタイプだからなあ。」

「そうゆうときは俺らが陰から支えてやろうぜぃ。」

「切原君が高校に入ったときには温かく歓迎しましょう。」

「そうだな。赤也も喜ぶだろう。」

「あ、戻ってきた。赤也ー!!」





結局何も買わずに戻ってきた赤也には叫んだ。

赤也はポケットに手を入れたまま目を細め、小さく言う。





「なんスか?」

「何かお守り買った?」

「いや、買ってないっス。」

「じゃあ丁度良かった!」




は鞄をごそごそと探し、「あった!」と言うと鞄から取り出した。

テニスのボールを象(かたど)ったキーホルダーである。




「これね、お守りだから。全国制覇と友情の。」

「はあ。」

「あら?いらない?あたし達全員持ってるのに。」




そう言うと、三年生軍は同じキーホルダーを赤也に見せた。

これはから全員に贈ったものである。

は赤也の手に無理矢理乗せると微笑んで言った。




「ずっと仲間の証だから。これからもよろしくね。」

「先輩・・・。」




赤也は目頭にうっすらと泪を浮かべると、すぐにそれを拭いた。

全員、赤也を優しい瞳で見る。優しい笑みと一緒に。




「幸村部長…真田副部長…柳先輩…柳生先輩…仁王先輩…丸井先輩…ジャッカル先輩…

 …………先輩。―――――今年もよろしくっス!!」






赤也はキーホルダーをギュッと握り、大きく一礼した。

目頭に再び泪を浮かべながら。














ずっと、よろしく









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新年おめでとうございます。
おかげさまで当サイトは一周年を迎えます。
今年も[ぴよ]と[ぴうれんと]をよろしくお願いします。
微ギャグと切ない系でいってみました。
赤也は泣き虫だといい。甘ったれだといい。笑
それこそ萌えるじゃないか(笑)

[08/01/01 piyo]   

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