「お前やっぱ柳先輩のこと好きなんだろ!?」

「だから違うって言ってるでしょ!何馬鹿なこと言ってるの」

「いーや違うね。間違いなく、お前はさっき柳先輩のことを見ていた!」




赤也は窓の向こうのグラウンドで1,000m走をしている柳先輩を指差した。




















ムキになっちゃって
馬鹿みたい!





















「ねえ。消しゴム貸して」

「ヤダね。柳先輩に貸して貰えば?」

「アンタ馬鹿?消しゴム借りる為に三年生の教室に行く愚か者が何処にいる?

 どこにも居やしないわよ!!」

「メールする仲なんだろ?!消しゴムの貸し借りくらい簡単じゃねえか。フン」

「メールとか関係ないし。あーヤダヤダ。赤也ってなんでこんなに餓鬼なの」




仕方なくあたしは後ろを振り向いて、クラス委員長の山田に「消しゴム貸して」と言う。

赤也と違って快く山田は消しゴムを貸してくれ、ノートに書いた文字を消す。




「山田サンキュ」




再び後ろを振り向いて山田の机の上に消しゴムを置けば、

赤也があたしに絡んで来た。ジーッとあたしの横顔を見るなり、ぼそぼそと呟く。




「あ。今、山田に色目使っただろ?本命、柳先輩じゃなくて山田なんだ」

「本命も糞もないわよ。馬鹿。アンタって本当馬鹿。もう机離していい?」





そう。あたしと赤也の机は隣り合わせ。通常、クラスの机は1つずつ離れている。

隣の人と机を合わせるのは、どちらかが忘れ物をしたときぐらいである。




「それは無理だし。俺教科書ねえもん」

「はあ。溜息しか出ない」




呆れと疲れを混ぜた溜息を一つ吐き、窓の外を見る。白いというよりも灰色の雲。

雨は降りそうにもないけれど、これから晴れる気配もなさそうだ。







「」



隣りから呼ぶ声が聞こえた。案の定声の主は赤也である。

今度はそれほど怒っているような挑発的な声ではない。



「なに?」



あたしは返事をした。

赤也がシャープペンで教科書の問題を指す。




「これわかんねえんだけど。教えて?v」




必殺技---とでも言おうか。年上キラーの赤也の秘技であろう『可愛い顔』で私を見た。

教えて、の後にハートマークがついていそう。いや、業(わざ)とつけているのかも。

情けないことながら、少しキュンとなってしまった。不覚。







*







「そこは、ほら。前習った(I+α)(I+β)の公式を使って…」




赤也のノートの角(すみ)にペンを走らせる。こんなのあたしにとっちゃ簡単な問題。

スラスラと解いていくあたしを見て、赤也は仕切りに

「すげえなあ」とか「へえ〜頭良いんだな」とか一人で感心している。




一つ目の問題が出来たら「次ぎ二問目」と、彼はまた問題を解くよう促した。

まあ簡単だからいっか。もう一問、あたしは答えを出してあげる。




問題を解くあたしに、赤也は静かに話し掛けた。




「なあ。本気で柳先輩じゃねえの?」

「まだその話?違うわよ」

「じゃあなんでメールしてんの」




赤也は自分のノートも教室の黒板を見ずに、ジッと、ずっと、あたしの顔を見ている。穴が空くほど。

そのことに気付いた途端、急に頬が熱くなる。いや、これは気のせい気のせい。

あたしは平然を装い(というより平然としているんだけれど)赤也に言い返す。





「オトモダチになったから」

「・・んだよ、それ。大体接点ねえじゃん」

「委員会で仲良くなったのよ」

「そんでメールしてるわけ?」

「そうよ。赤也と同じクラスって言ったらメルアド聞かれたの」

「ふーん」




「・・・・・・・いい加減顔見つめるの止めてよ。閲覧料取るわよ」




聞いちゃいない。赤也は未だにあたしの顔を凝視する。




「俺とはメールしないで柳先輩とはするんだ」

「・・・・・なによ。何が言いたいの」




赤也は口ごもる。

少し間を空けて喋った。




「・・・別に何でもねえよ!馬鹿」

「はあ?何なの?!そっちこそ、ムキになっちゃって馬鹿みたい!」




わけわかんない!とばかりにあたしも言い返す。と、同時に





「「いで!」」





誰かに頭を叩かれた。あたしと赤也。二人とも。




「、切原。授業中に痴話喧嘩は止めろ」




数学の先生があたし達に言うとクラス中はどっと笑いに包まれる。

ああ恥ずかしい。ギロッと赤也を睨むと彼もまたあたしを睨んだ。

そして赤也はふうっと溜息吐いたと思えば小さく「鈍感」と呟き、机に伏せた。





赤也に「メールしよう」と言われたのは、それから数日後の事。

































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まあ赤也くんはちゃんが好きなんですけど
先に柳先輩がちゃんとメールしてるんで
それに嫉妬してた・・・みたいな感じ。
駄文ですんません...orz
[07/12/15 piyo]
[08/12/26 修正]