「俺、今好きな人がいるんスよ。」
「……は?なんだ行き成り。」
噂の
グット
ルッキングガイ
部活が終り、外は真っ暗。
切原は突然言い出した。
「先輩、協力してくれません?!」
くるりと振り返り、
上半身裸の切原がズンズンと丸井に近付いている。
「本当にお願いなんで・・・」
「ちょっ!おい!俺はお前の上半身裸なんて見たかねーよ!まず服着ろ!」
切原は渋渋また、ロッカーの前に立ち服を着る。
丸井はネクタイを締め終り椅子に座る。
鞄からアクエリアスのペットボトル出し、口にした。
切原はまだズボンにYシャツで丸井に背を向けている。
「んで?誰が好きなわけ」
「先輩。」
ブブーーーッ
丸井はその言葉を聞いた瞬間口に含んでいたアクエリアスを噴出した。
「狽、わっ、先輩汚いっスよ!あー・・、ちゃんと雑巾で吹いて下さいね」
「言われなくても分ってるっつーの。って、あの?」
「あのって…、同姓同名の人なんて滅多に居ないっしょ?」
丸井が噴出すのには理由がある。
なぜならば、切原の惚れたは剣道部の女子主将で二段持ち。全国にも名を挙げるほど。
おまけに丸井のクラスの学級委員長を勤めている。
クラスの中心的存在だが、丸井はその迫力に多少恐れている。
いたって普通の関係、強いて言えばただの同級生。
ジャッカルは仲がいいみたいだけど。
クラスの女子からは『カッコイイ』と言われ、
先日は女子から恋文(もとい、ファンレター)を貰っていた。
見た目はさほど男らしくも無いのに、
さばさばした性格が受けているのか、
丸井は疑問をもっていた。
「お前の好みってあーゆータイプだったけ?」
「あー、今までは天然系が多かったけど、先輩は特別っス!」
「んだよそりゃ。お前あいつのこと恐くねえのか?」
「あー、噂聞いた時は恐かったんスけど、一変したんスよ!」
「…は?」
「2週間前の事なんスけど・・・・」
□■□
2週間前、俺はジャッカル先輩とテニスをしていた。
「ふぅ・・・赤也、そろそろ休憩しないか・・」
「そうっスね。・・・・・先輩、咽喉渇きません?」
「そうだな。若干渇いてるな」
「ってことで・・・・・」
切原はグーの形でジャッカルの前に手を出した。
「・・・・なんだよ」
「だーから、ジャンケンでどっちが行くか決めましょうよ!」
「チッ・・・そういうことかよ」
*
「あー、俺ってラッキー。ジャッカル先輩まだかなぁ〜」
俺はベンチに腰掛け、スポドリ(もといジャッカル先輩)が来るを待つ。
といっても、ココから近くのコンビニまでは10分程。
来るまでもう少し時間が掛かる。
その間はヒマな為、無造作に鞄の中から携帯を取り出し、
過去にきたメールを読み返す。
(あっ、この丸井先輩からのメール0時ジャストだ!すっげぇ)
(あー、柳生先輩この頃は先輩にぞっこんだったなぁ)
(この真田副部長のにやけ顔の寝顔写真、貴重だよな〜)
「あのー、すみません」
後ろから声を掛けられ、後ろを振り返る。
フェンス越しに見えた人は、ピンク系の小花柄のワンピースを着て
ふわふわと髪を巻いている。凄く女らしくて、綺麗で上品そうな人。
少なくとも俺のクラスの女ではない。居たらとっくに口説いてるぜ。
誰だろう?見た事はある。いつものコンビニ店員さん?
朝に見かける女子高の人?否、違う。
えーと・・・何処で見たんだろう・・・・
「ジャッカル…君、ココに居ないんですか?」
「えっ、あー、ジャッカル先輩なら今コンビニ行ってます」
「もうすぐ帰ってきます?」
「あー、あと10分もあれば来るんじゃないスかね?」
「そっか、・・・・ココで待ってても構わないかな?」
「・・・イイッスよ」
誰か分らない、(いや、顔は分るんだけど)女の人が俺の隣に腰掛ける。
誰だろう、この人。思い出せない。てゆうか、何故にジャッカル先輩?
えーと・・・どこかで見たことが――-…
「・・・・・・・・・あたしの顔に何かついてる?」
「え?!いや、何も!目と鼻と口しか付いてませんよ!」
「あははっ、そりゃそうだって。付いてなきゃあたしも困るよ」
「そっ、そうっスね」
女の人はお腹を抱えて笑っていた。
見た目の綺麗さと笑い方のギャップに少しドキッとした。
そんなに面白かったのか?俺の台詞。
「おーい、ー!」
後方からジャッカル先輩の声がする。
隣にいた女の人はスッと立ち上がりジャッカル先輩の方へ行くと
蹴りを入れた。
(え・・・。スカートで蹴りとか有りなんスか?てか、高原のお嬢様(違)なんじゃ・・・)
「ジャッカル!てめぇ人を待たせるとかどういう身分だ!
しかもジュース飲みながらとかふざけんなよ!」
「げっ、!もう来てたのかよ。お前来るの早すぎるんだよ」
「そりゃ、チャリンコ飛ばしてきたから、で、教科書は?」
「あー、俺のテニスバックの中だ。こっち」
ジャッカル先輩と女の人は俺の横に置いてある先輩のテニスバックの前にきた。
俺は座ったまま先輩と女の人を見る。
ジャッカル先輩は飲みかけのペットと俺の横に置き、
バックを漁ると数学の教科書を出して女の人に渡した。
「ほら、。悪かったな」
「全くだよ。コレが無かったら宿題できなかったんだから。
お詫びにそのジュース一口頂戴ね」
女の人が、俺の横に置いてあったジュース(ジャッカル先輩のやつ)を手に取る。
・・え?・・・ジャッカル先輩と間接キ…キッス?!
「(ゴクゴク) あー、おいし。ジャッカルサンキュ」
飲んじゃったよこの人!!ジャッカル先輩とキ…キッスなんて。
「、お前飲みすぎ。もう半分しか残ってねぇじゃん。
あっ、赤也。コレお前の分」
?・・・・・って・・・・・・・・
「あーーーーーー!!!!思い出したぁぁぁぁああ!」
「(ビクッ) あ…赤也、ビックリするじゃねぇか。ったく、どうした?」
「思い出した!アンタ、剣道部の先輩!」
「??イエース。剣道部女子主将のです」
「・・・・・ジャ…ジャッカル先輩の彼女なんスか?」
「は?!まさかっ!ジャッカルなんかよりもずっと良い男がいっぱいいるのに?!」
「おい!!なんだよそれ」
「で、でもさっきか…間接キ…」
「あー、別に減るもんじゃないから良くない?」
「そ…そうっスか」
「君は・・・・えーと・・・・・」
「切原赤也。噂のグットルッキングガイとは俺のことっス!」
「は?初耳だぞそれ」
「あっ、あっはははははっ・・・さっ最高っ、切原くん!覚えておくねっ!」
先輩はまた、お腹を抱えて笑った。
どうやら彼女の笑いの基準は低いらしい。
「オッ、俺の事は赤也って呼んでください!」
「了解、そうしたらあたし帰るね。
ばいばい、グットルッキングガイこと赤也くん!ジャッカル!」
先輩はスカートにも拘(かかわ)らず、自転車に跨(またが)り颯爽と帰って行った。
先輩が居なくなったことを確認し、俺はジャッカル先輩を見る。
「先輩!先輩と何で仲が良いんスか!?てか、何で間接キスなんか…
でも、超可愛いかったっスよねっっ、でもな…」
「おい、赤也。落ち着け!」
「あ・・・・スンマセン」
「と俺は委員会が一緒だっただけだ。それで仲良くなったんだよ」
---そうだった。ジャッカル先輩も学級委員長やってるんだっけ。
「あ゛ーーーーー!俺もやればよかったぁぁぁ!!」
□■□
「…へぇ、あのが私服でスカートか。見てみてぇな。」
「めっちゃ可愛かったっスよ〜。脚もイイ感じで引き締まってましたし(笑)
俺、1週間テンションMAXでしたから」
「……で、何で俺なんだよ。ジャッカルに頼めよ」
「無理なんスよ。お願いしたら……
先輩っっ!?」
其処に立ってたのは昨日見た可愛いふわふわ髪の先輩とは違う、
お団子頭の先輩。
キリリとした雰囲気がこれまた格好良くて可愛い。
あー、俺完璧に恋したんだな・・・なーんて。
「オハヨー、グットルッキングガイ☆
へぇ〜両思いを目指してるんだ。それはそれは、私も応援せねばねっ」
先輩はそう言うと、思いっきり笑った。・・・・・超カワイイ。
「本当っスか?じゃぁ、俺とつ―-…ウ゛オェェ!」
丸井先輩に蹴りを入れられた。
「なっ、何スンすか!」
「赤也、行くぞ」
「ちょっ・・・邪魔しないで下さいよ!」
丸井先輩は俺を無理矢理連れて行く。
あー・・・先輩が遠のいていく………。
「バイバーイ。丸井〜。グットルッキングガイ〜」
先輩はにこやかに手を振っていた。
玄関に入った所で、俺は丸井先輩に聞いた。
「丸井先輩、俺の恋応援してくれるんじゃなかったんスか?」
「・・赤也。無理だ。前言撤回。・・・・・・俺も…に惚れた」
「え゛!?そんな困りますって!」
「…ってことで、お前は自力で頑張れ!じゃーなっ」
丸井先輩は階段の前で止まったかと思うと直ぐに自分の教室へと言ってしまった。
俺の恋、前途多難。
:::::::::::::::::::::::::::::::::::
アハハハ。もう、最後どうまとめようか困ったちゃんだよ。
自分の文章能力の無さに乾杯(苦笑
でもやっぱり、赤也とくっついて欲しいな。ちゃんには。
ジャッカルとちゃんは恋人では無く、
厭くまで男女の友情です。
[06/11/07 piyo]
[08/12/28 修正]