三年ぶりにに会った。

三年ぶりに言葉を交わした。

久しぶりに見た彼女は高校卒業当時と何ら変わっておらず、

(強いて言うなら髪の毛がショートカットになっただけで、)

三年間というのは見違えるほど成長するには短すぎると感じた。

その反面、変わらない彼女に少しながら安心感を覚えた。













時計が
に回る日
「それにしても、切原は変わんないねー」 はコーヒーにミルクを注ぐと、右手で慣れた様にかき混ぜ、 まずは軽く一口飲んで、視線を俺に向けた。ふふ、と軽く微笑んだ。 「まーな。何年ぶりだ?俺ら会うの」 なんていかにも年月に興味が無いかのようにしてに問う。 コイツは大分さっぱりした奴だから、 別れてからの時間なんて覚えていないかもしれない。 彼女はうーん、と首をかしげながら「3年ぶりじゃない?」と答えた。 ピンポン、正解。よく覚えてました、とひとり思う。 「そっか、3年か。長いようで短いよな、3年って」 「そうだね。あ、これ借りてたやつ」 はバッグの中から丁寧にビニール袋で包装されたCDを出す。 3年前、別れる1週間くらい前に俺からに貸したCDだ。 「ああ、わざわざ悪いな」 「ううん、実はずっと返そうと思ってたんだけどさ。タイミング掴めなくて。」 「ふーん。・・・・・・って女子大だっけ?」 「うん。切原は、立海大そのまま行ったんだよね?」 「ああ」 「テニスも続けてるの?」 「ああ、未だに幸村部長の支配下だぜ?」 「アハハッ、懐かしい!幸村さんかあ」 アハハと、昔と変わらない笑みを俺に見せる。 不意にも高校時代の姿と今の姿を重ねて、付き合っていた当時を思い出す。 俺の隣で優しく微笑んでいたを思い出した。 その後もたわいない会話を続けては、は何度も笑顔を見せた。 俺は窓の外から見える交差点をチラッと見て、自分のブラックコーヒーを飲んだ。 目の前に座る彼女を懐かしく眺める。 彼女は変わった。 例えば、綺麗なロングヘアーはショートヘアーになった。 例えば、俺の呼び方は「赤也」から「切原」になった。 でも、変わらない。 その、笑い方や笑うタイミング。 その、制服のときと同じ色の白いシャツ。 その、石鹸のような優しい匂い。 懐かしくて新しい彼女に俺は再びときめく。 俺らどうして別れたんだっけ?、なんて3年前を思い出す。 「赤也はあたしと一緒に居たくないの?!」 「気持ちのすれ違い」が一番の理由だろうか。 互いに一緒に居すぎて、お互いを求めすぎて 二人で過ごす喜びを忘れていた。 彼女に全てを委ねて、一緒に居ることが当り前になって 二人とも思いやる気持ちを忘れてしまった。 「そろそろ行くね。」 が左腕の腕時計を見て言った。俺も自分で時間を確認をする。 なんとまあ、もう2時間以上経過しているじゃないか。 「悪かったな、わざわざ。」 「全然、お安い御用だよ。」 カランコロンと喫茶店のドアを開けた。穏やかな夕日が二人を照らす。 「それじゃ、あたしこっちだから。」 は右手で駅の方向を指すと、バイバイと手を振った。 「ああ、」 コツコツと低めのヒールを鳴らして歩き出したの背を見て 俺は思わず叫んだ。 ずっと言いたかった言葉。 ずっと言えなかった言葉。 「俺さ、嫌いになったわけじゃないから。」 果たして通じたのか、は昔と変わらない笑みを作ると 声を出さずに「ありがとう」と言った。 良ければ言葉を続けていいかいだろうか。 続きの言葉を。 が良いならあの時のいえなかった返事を、 今、言うよ。 「ずっと、一緒に居て欲しい。」 ::::::::::::::::::::::::::::::::::: B'z[warp]の歌詞を元に書きました。 ぴよのお気に入りソングのひとつです。 懐かしくて新しい元恋人の笑顔を見れば きっと過去にワープするんでしょうね。 [08/12/12 piyo]