「もうやだ!俺と別れる!」



「何馬鹿なこと言ってるの。それ今日で何回目?」







スキダカラ











机を両手でバンと叩くと丸井はそう言った。いや、叫んだ。

あんなににフォーリンラブだったのに、一体何が彼と彼女の間に起こったのか。

簡単である。分かれると宣言したのもこれで4回目。




原因はどちらにあるわけでもない。

丸井と付き合い始めたは、まあそれはもうドンドン可愛くなっていくわけで

(ほら、恋人が出来るとよい綺麗になるっていうでしょ?)

他の男が放って置かない訳で、どんどん野郎が寄ってくる。

その野郎共と、単純には話しただけなのに、丸井はすぐ

「浮気だ!」「二股だ!」だの叫ぶ。



まあ、それは単純に嫉妬しているだけだと思うけど。






だから、実際はたいした大騒ぎでもない。











「だってアイツ高岡とDVD貸し借りしてたんだぜ?」

「だって丸井ラブロマンス映画に興味無いでしょ。」

「う・・・まあ、そうだけど。」

「おおめに見てあげてよ。実はゾッコンのくせに。」

「う・・・ま、まあな////」




丸井は照れながら頭を掻いた。

なんだかんだでこいつらは一年以上続いている。







「!呼ばれてるよ!」









クラスメイトに呼ばれてドアの方を見るとそこには後輩が一人。















「あ!先輩!入っていいっスか〜?てか入ります。」

「赤也・・・・・またお前忘れ物か?」

「違いますよ!愛しい彼女に会いに来たんです。」







赤也と付き合い始めてから彼はちょくちょく私のクラスに遊びに来るようになった。

はじめは「英語の辞書を貸して!」だの「部活一緒に行きましょー!」だの言って、

ここ数週間は何も用事がないのに来てたりする。

おかげでクラス中にも赤也の顔は知れ渡り、赤也もクラスの人と仲良くなってしまった。









「あ、丸井先輩。先輩の顔そんな見ないで下さい。汚れます。」

「あ?テメエ喧嘩売ってんのか?」

「先輩!今日お昼一緒に食べましょ―ね!屋上で!」

「はいはい。オーケー。」

「オイ赤也、シカトすんな。」

「じゃ、先輩ばいばーい。」








赤也はそれだけ言い残すと自分の教室に帰っていった。

私は手を振って椅子に座ったまま見送る。赤也の笑顔は相変わらず可愛い。

ふと丸井を見ると目が合い、奴はニヤニヤと笑った。







「なんだ。もゾッコンじゃねーの。」

「う、うるさいわ///」

















◇ ◇ ◇



























「先輩!待ちました?」

「うん。5分くらい。だから先に食べてた。」

「えっ…待っててくださいよ!」

「だってお腹空いたんだもん。」






私がそう言うと赤也は横に座り、フェンスに凭れ掛かった。

そして購買で買ったパンをひとつ開けて齧り付いた。









「明日で八ヵ月経つっスねえ。」





赤也は思い出したように呟く。





「そうだね。早いねえ、時って。」


「そうっすねえ。俺らもうすぐ進級っスよ。」


「わあ…赤也、先輩になるんだよ〜。」


「げ、部員増えるのか・・・。」


「いやなの?増えた方がいいでしょ。」


「だって先輩に惚れる人が増えるじゃないっスか。」


「・・・・そんなことあるわけないでしょ。」


「あるんです!現に2人は知ってます!」








そう言って赤也はまた一口パンに噛り付いた。

私もお弁当と一口、また一口と食べる。














「先輩、俺、すっごい気になってることあるんスけど…」



「ん?何?」






赤也は少し溜めて言った。













「…いいっスか?行き成りなんですけど。その、なんつーか










 俺のドコが好きなんですか?」

















赤也は私の目をジッと見た。

横から見られるから、すごくドキドキする。

おかしいな赤也が隣にいるのは慣れているはずなのに。











「は?行き成り!?」



「言ったじゃないッスか!『行き成りだ』って。…単に気になっただけっス。」



「そういう赤也は?」







「え、俺!?俺は------よくわかんないけどいつのまにか・・・・///


 って、何照れること言わせるんスか!!!」



「知らないわよ。自分で言ったんでしょ!」








もじゃもじゃした髪をくしゃっと掻き揚げると、

赤也の顔は徐々に赤くなっていった。

そのまま赤い顔で私を見る。








「先輩は?」


「私?私もわかんない。

 けど、いつのまにか---かな?」







彼は顔をキョトンとさせた。







「…そんなもん何すかね。」


「そんなもんよ。単純に好きなものはスキなの。」









私はそう言い切るとお弁当の最後の一口を食べ、蓋を閉じた。

赤也もパンを食べ終わってたらしく、グシャッと袋を丸めた。












「先輩が言うと説得力あるっス。」


「ありがと。」


「俺、先輩のことずっと好きですよ。」


「ありがとう。…私もだよ。」


「…あ、今照れたでしょ?かわいい〜。」


「う、うるさい馬鹿。」



























好きになるのに理由は要らない。

付き合う理由は唯一つ。




貴方がスキダカラ



























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長い間、ありがとうございました!
第一話は突発的に書いた物で、
連載終わるのかな・・・と結構不安だったりしてました(汗)
無事終わってほっとしてます(笑)

恋するのに、理由なんて要らないんです!


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[2007/10/20  piyo]